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フラワーサンタと太っちょトナカイ
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遠い遠~い不思議な世界に・・・
お裁縫箱の家で暮らす人々がいる国があります。
その国では、もうすぐクリスマスの季節を迎えようとしていました。
チョキ チョキ チク チク
ある一軒の、古~いお裁縫箱の家から・・・
チョキ チョキ チク チク
軽やかなリズムに乗って・・・
チョキ チョキ チク チク
なんだか、賑やかな音が聞こえます。
チョキ チョキ チク チク
家の中を覗いて見ると・・・
あら、あら、あら・・・
花柄やチェック柄、動物や果物などの、たくさんの布が、
押し合い圧し合い窮屈そうに山のように積まれていました。
その布に埋もれながら、ふっくらとした針山母さんが、
赤や緑の布を使って忙しそうに何かを作っています。
その傍らで、同じ顔した男の子たちが、
お気に入りの車や飛行機の柄の布に包まりながら、
サンタさんがくれるプレゼントの話に花を咲かせていました。
「今年は、絶対飛行機がいいな!」
と、一人の男の子が元気良く言います。
「飛行機もいいけれど、車がいいな! それも、スポーツカーがいい!」
と、もう一人の男の子も大きな声で叫んでいます。
そこへ・・・
ハー ハー ハー ハー
小さな女の子が、息を切らして
ハー ハー ハー ハー
元気よく走ってきました。
「ねえ、母さん! お布団作って!」
と、目をキラキラ輝かせて言います。
「誰の?」
不思議に思って、針山母さんが聞きます。
「サンタの種のよ!」
「えっ! サンタの種?」
びっくりして聞き直します。
「どうしたの?」
「もらったの!」
「誰に?」
「太っちょトナカイに・・・」
「・・・?」
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